Tuesday, February 01, 2011

ニューエージ・レッドネック

先週、やっと温室が修復された。我が牧場の山の向こう側に住むディーが手伝いにきて、ビッグドッグと一緒にスチール棒などでヤワなアルミ製の骨組みを補強し、扉も入れ直してくれた。

様子を伺いにハウスまで行くと、ビッグドッグが大声で報告。
「ベニソンだよ!」真空パックされた鹿肉のステーキを私に差し出す。
「わぁ!」
「いい狩猟シーズンだったよ。とうぶんの間はこの肉で間に合うからね。」嬉しそうに教えてくれるディー。
うぅぅ。もしかして、あの鹿姉妹もやられてしまったのでは?いや、私の手の中のジビエが彼女たちかも。でも、せっかくのギフトだ。ありがたく頂く。

「先日、ワイフは谷間から熊の死体を引き上げてきたんだ。黒っぽい何かを担いでやってきて何だろうと見たら熊なんだよ!」
「へぇ。この地域の名前はスペイン語の“熊たち”だけど、もうどこにも生息していないかと思っていたわ。」
「おいらだって始めてだよ、この辺りで熊を見たのは。」

温室修復作業が終わり、家の中で一緒にビールを飲みながらディーは小さなブリキの箱から熊の爪を取り出し、自慢げに見せてくれた。
「ワイフは熊の死体をドラム缶に入れて、今処理しているんだ。毛皮の絨毯か何かにするつもりかも。」

ディーはレッドネックだけど、ニューエージ系レッドネックだ。あまり学歴はないが私たちより遥かに太陽や月や星のことがわかる。彼が管理する牧場に無断で立ち入った者をライフル銃で追い回すが、同時にビッグ・サーでヒスイを発掘し、繊細なジェイド・ジュエリーを工作する。あらゆる動物を殺しているが、すべて食し、この地域の原住民のように食べない部分もちゃんと使っている。暇になったら我が小川の脇を茂る柳を刈りにきたいとか。柳の枝でスゥエットロッジ(サウナ)を作ろうとしているらしい。興味津々だ。彼のことが気になる。もっと知りたい。だから、「ディーの新しい親友になろうキャンペーン」を密かに実施中の私だ。

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