Wednesday, November 09, 2011

ジャングルの中で

謎の胃腸炎は長引いたが今では遠い過去の話。

あれから2週間がたち、我々は南へ、セカンドホームのようになってしまったメキシコの小さな漁村にやってきた。

でも、この町は3週間前に大きなハリケーンの被害にあい、町も民家も畑も町の外れにある軍の基地も浸水してしまったらしい。

「いい知らせと悪い知らせがある」と我々を迎えにきてくれたデイブ市長が報告する。彼は市長でもなんでもないが、フレンドリーなデイブはエリアの住民をみんな知っているので、ビッグドッグはそういうあだ名をつけてしまった。
「悪い知らせって?」
「洪水のことは知っているよね?家だけでなく、車も全部浸水の被害にあっているんだ。このバンも座席のところまで水浸しだった。掃除したんだけど、どうもトランスミッションがおかしく、空港にくる途中もギアが使えなくなってセカンドで来たんだ。町まで帰れるかどうか心配だ。」
「大丈夫だよ。セカンドでゆっかりいけば。」
「どうだろう。ま、友達がレッカー車でスタンバイしているんだけどね。」
「で、いい知らせは?」
「無事、君たちがメキシコに到着したことだよ!」


デイブ市長は新しい住居に住んでいる。前の町中の家は天井が崩れてしまったらしい。今は友人の家を借りている。ジャングルの中の大きな二階建ての家はまわりの掘建て小屋の中からそびえた立つお城だ。

ハリケーンの後始末は大変だ

「ここは町では住めない貧しい家族が住む地域だ」とデイブは説明する。「洪水が来た時、みんなの家は浸水してしまい、2階に19人避難させていた。水道はポンプで稼働するので電気がなくなると水もなかったんだ。」
トイレも流せないで20人+ロットワイラー犬一匹?あまり想像したくない。

今もまだまだ被災地っぽいところがあちこちにある。舗装されていない道も沼状態。夕方になるとサギなどがやってくる。夜はカエルの鳴き声とゲッコーのアクセントで眠りにつく。早朝、ベッドルームの窓の外のココナツ畑から靄が上がる。最初は強烈だった下水の匂いも日に日に消えていく。なんだかジャングルの中の生活もいいなと思うように。

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