Saturday, July 01, 2006

ジム・モリソンを探して (ペール・ラシェーズ墓地、パリ)

前回パリを訪れたのは1977年。ほとんどの時間を美術館で過ごした私だったが、ノートルダムの近くにあるサント・シャペルには行かなかったようだ。というか、行った記憶はない。ベルナールが進めるので、モントリューに渡る前の日、覗いてみることに。

ステンドグラスではパリの外にあるシャルトル寺院が一番有名だが、サント・シャペルも小さいながら大迫力の万華鏡だ。色とりどりのライトショー。ここでレイヴをやったらすごいだろうな。

そんなことを考えながら、私たちはバスティーユまで歩き、運河のハウスボートを物色し、ロケット通りを闊歩してパリで一番有名な墓地、ペール・ラシェーズへ到着。ここにはオスカー・ワイルドやモリエールなどなど、有名人の墓がたくさんあるが、観光客が必ず探すのはジム・モリソンの墓だ。

パリに来てからあちこちで見かけている。サクレクールのそばにあった電気ボックス、セーヌ川の脇の壁・・・

運良く、墓地が閉まる15分くらい前に到着し、あわてて入り口にある地図でモリソンの墓を見つけ、一直線に第五区まで行くと、あとは人だかりを見つけるだけでいい。いつも観光客がたかったいるのはジェームス・ダグラス・モリソンの墓だけなのだ。

今日も中年のオジサンやオバサン、髪を紫に染めた若いアメリカ人など、そしてガードマンが墓のまわりにいた。昔は銅像もあったそうだが、盗まれ、今は簡単な墓石だけだが、その上はロウソクや花のおそないが。

「あと2分で閉まります!」セキュリティは我々を急かすので慌てて写真を撮ったが、2分もたたないうちに「はい、もうおしまい。出て!出て!」とガードマンは観光客を追い出す。

「え?2分はどうしたの?まだ1分しかたっていないよ!」ビッグドッグは不満だった。

でも、ガードマンはがんとして、我々を追い出す気だ。観光客もしぶしぶとモリソンの墓を離れて行く。

「君たちはどうしてここにいるんだよ?ドアーズが活躍していた頃、まだ生まれてもいなかったじゃないか」ビッグドッグは紫頭のアメリカ人にいう。ちょっと攻撃的に。彼にとって、ジム無しの最近の再結成ドアーズはドアーズではない。「オレは彼らがロスでプレイしていたころいたよ。ロクシーでいつも見ていた。でも、君たちには関係ないんじゃないか?」
「昔の音楽が好きなんだ」若者たちは攻撃的なオヤジに素直に答える。
「ふん。あれが本当の音楽ってやつだ。かわいそうにな。君たちの世代のは音楽じゃない。ヒップホップやラップだらけで。あれは音楽じゃないぜ。オレたちの世代こそが最高の音楽を持っていたんだ」
どんどんオヤジ炸裂。ちょっと恐い。私は少し前を歩くことに。

でも、そのうちセキュリティがどんどん現れ、スクーターで墓地の路地をびゅんびゅん、最後の訪問客を羊のように集め、出口へ誘導してきた。その中の一人がジム・モリソンに似ていた。彼だったら、どうしよう。

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