Sunday, October 08, 2006

才能の裏には・・・

今週末はビッグドッグの同窓会だ。
大学の卒業式にも出席していない私にとって高校の同窓会はとても遠い存在だが、BDに付き合わされて、Antelope Valley High Schoolの同窓会に出席。(広い国のあちこちから同窓生がやってくるため、金土日と3日間もイベント尽くしだったのには驚いた。)

「え?ジョン・フレンチは今この地域に住んでいるの?」
金曜夜のバーティの最中、外でタバコをすっている連中と話しているうちにキャプテン・ビーフハート&マジック・バンドのメンバー、ドラマーのドランボの話題になった。ビーフハートやザッパもこの地域出身で、ザッパのデビューアルバムにはAntelope Valley High Schoolの校長先生やフットボールコーチの名前がクレジットされている。
そして、BDと同じように1970年ころからドランボもギターのズート・ホーン・ロッロ(ビル・ハーケルロード)も北カリフォルニア、ハンボルト・カウンティに移住。
そういう経緯から彼らはBDのピラミッド・ドキュメンタリーの世にもかっこいいサントラを手掛け、まだ映画が完成しないうちにハンボルトから消えてしまった。だから、BDはまたドランボと連絡が取れるのかと思い、興奮していた。
「確か、クォーツ・ヒルに住んでいるんじゃないかなぁ」
「ずっとハウスハズバンドやっているという噂よ」
「誰か、彼の連絡先しらないかなぁ」
「同窓生名簿見れば?」
そんなところにジョン・フレンチの連絡先が載っているとは思えなかったが、BDは中に戻り、名簿を見たら、ちゃんと載っていた。

「おい」夜遅く、お父さんの家に戻ったBDはジョンに早速電話した。
「誰だ?」
「オレだよ。BD。他にこんな遅い時間に電話するヤツいるか?明日のパーティにいかないのかい?ダメだよ。来いよ」BDはしつこくドランボを誘う。
「わかんないけど、とにかく明日うちに来いよ」BDのしつこさに参ったのか、とりあえず家に招き、電話を切った。

ドランボの家はランキャスターのずっとはずれ。まだ昔の面影が残っている地域にあった。新興住宅がどんどん増えるこの街だが、ドランボが住む一角はまだ田舎の匂いが濃く、馬やニワトリを飼う住民もいる。
「ここかなぁ」
小さな木造建ての家だった。
トラックを止めると家から背の高いスキンヘッドの男が出てきた。
「ジョン!」
「B!」
「久しぶりだねぇ」
「オレのワイフ、ドナ。彼女も昔バンドをやっていたんだ。そして僕の最初のドラム生徒だ。そして娘のジェシー。彼女は今10年生(高校1年)」早速ドランボは家族を紹介してくれた。

ハンボルトを離れてからドランボは結婚し、娘が生まれ、妻が近くの高校で働き、彼はハウスハズバンドに。アーティストにとって理想的な生活じゃない!パートナーが生活費を稼ぎ、自分はアートに専念する。そういう環境があるからこそ、ドランボは去年、一昨年とマジックバンドを再結成し、ツアーしたり、今も勢力的に作品を作っていられるのだ。

これは彼だけでなく、私の知る多くのアーティストたちも同じだ。日本に住む友人はジャズピアニストの夫を養いながら二人の子供を育て、なおかつ環境保護運動も熱心にやっている。その上、最近、とても面白いブログを初めているのだ。なんていう才女なんだろう。彼女のパワーとエネルギーと才能には頭が上がらない。もう一人の友人は一緒にコラボしているMiyooonだが、彼にも素晴らしいサポート・パートナーが。
このようなサポートがあるアーティストは本当に恵まれているよね。じゃないと、よほどの精神力がない限り、生活のためにアートを妥協したり、挫折しちゃったりしちゃう。生活のためにお金は必要だが、お金のことばかり考えているとアートは死んじゃうからね。
私もパトロンが欲しい。サポートしているパートナーがいるアーティストがたまらなく羨ましい。

なかなか「影の力」に徹底するのは難しいのにね。アーティストが有名になったら報われるのだろうか?有名=裕福とは限らないしね。そんなことを考えていたら、アーティストたちをサポートしている彼女/彼らがなんだかとてもスゴイ存在のように見えてしまう。
いつもアーティストたちの才能を見ているが、今日は彼らの裏にいる素晴らしい才能に乾杯!

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