Sunday, July 05, 2009

何故アケータに惹かれるか

東京で仕事に縛られていた時も何度かアケータを訪れている。(もちろん、これも仕事で。仕事以外の人生はなかったので。)その頃はそれまで訪れたどの町よりも小さく感じ、「なんて可愛く、チャーミングな町なんだろう」と感動。牧場で暮らすようになってからはアケータに来るとなんとなく「都会」に来た感じがする。大都会ではないが、都会っぽい活気があり、牧場とは別の楽しさ満載だ。

21世紀並みのインターネット環境も嬉しいが、それ以上に私を魅了する理由がたくさんある。

* ヒッピーセンターであること
元々のフラワーチルドレンは年をとり、中には「大人」になってしまった人たちもいるが、たえず新しい世代のヒッピーたちがユートピアを求めやってくる。だからか、アケータはアメリカ一の左翼的町かもしれない。

* 巨大チェーンやフランチャイズビジネスはウェルカムではない
昔からの住民には複雑な問題で、中には「だからいつまでもショボクレタ町なんだよ」とか「大手が来れば沢山の職が生まれるのに」というが大半は大手嫌いなのだ。
個人商店や個人企業、個人サービス業はとてもウェルカム。だけど、例えば、マクドナルドが店を開けば、誰かが放火してしまう。(それでも、また数年後トライし、また放火され、3回くらい試してみるマックもスゴい。最終的には住民の勝ちだったが。)(実際、町の外れ、ハイウェイ沿いには1件マックがあります。でも、通りすがりのドライバーしか寄らないのでは?アケータにはV&Nという地元の老舗ファストフード店とスターズという比較的新しめのバーガー屋があるから。)スタバもなければウォールマートもない。実に清々しい。(そしてタイムトリッピー!)

* コミュニティ志向の住民
ビッグビジネスは嫌いでもローカルビジネスは大好き。ローカル商品が高くても、少ない収入をそっちに向けるところなんて涙もの。だからか、小さな町のわりにはローカルビジネスがたくさんある。

* みなクリエイティブだ
長い、長い雨期のお陰でアーティスト人口も他より多い。素晴らしいアーティストがいっぱいいる。東京で活動していれば「話題のアーティスト」になれるくらい優秀なアーティストがカーステレオ業者だったり、靴のセールスをやっていたり。普通の人々も手芸やアートをやるので、小さな町にしてはシャレた生地屋さんや毛糸屋さんがあるし、ビーズショップは何件も。地元アーティストの作品を扱うギャラリーも多いし、地元職人のガラス細工やジュエリーを売る店も多い。

* 本当に不景気ではないのかも
ビッグビジネスを受け入れたくない町なので、失業者も多い。だけど、本当に収入がまったくないという人口はどのくらいなのだろう?ハンボルト群はカリフォルニア州では医薬として認められているマリワナで有名だ。連邦政府的には認められていないので、モグリの生産者だらけで、統計には加入されないし、課税されない。(もったいない!ちゃんと100%合法化され、課税されれば、どんなに収入が入るのだろう!ハンボルトカウンティは急にカリフォルニア一裕福なカウンティになるはずだ。)

* 消費主義は罪悪だ
ボロボロの車、ボロボロの衣類なんてあまり前。消費主義を嫌うこの町のモットーはまさにrecycle-reduce-reuse。大きなSUVは恥ずかしい。派手な買い物もみっともない。ビッグドッグも私も、ここにいるとまったくノーマルだ。

*とても、とてもグリーンだ
あらゆる意味で。米国では最初にグリーン党の市議会が選ばれた町だけでなく、最初に(同時多発テロ事件後に可決された)米国愛国者法を破棄した町だ。それ以外に、過剰にエコなところもそうだし、町を囲む森林からもそうだ。GMOも禁止されているし、環境保護グループの一番過激な組織もここを本拠地としている。

* 若い
住民の30%以上は18~24歳、中間年齢は26歳。市議会には学生の議員がいることも多々ある(現在も一人は大学生だ。)実際の年齢もそうだが、精神年齢も若い!数年前、母が訪れた時、町の「年齢不詳、というか白髪キッズ」にビックリ。「何歳かわからないけど、しわくちゃ白髪ジイさんがスケボに乗っているのよ~」と笑いっぱなしだった。

* 地元の野球チームはハンボルトクラブ
そう。蟹だ。あまり強そうなネーミングではない。美味しそうな名前だ。でも、1945年から毎シーズン欠かさずプレーしているアメリカ唯一のセミプロチームだ。

* 中心がある
アメリカでは今やとても珍しい存在だ。ラテンの国々では一般的だが、アケータもメキシコのソカロのような中心プラザがあり、賑やかな場所だ。土曜日のファーマーズマーケット、春のオイスター祭り、春から秋にかけてのいくつものお祭りなどなど。何もない時も学生や無職(&たぶんホームレス)なヒッピー達が観光客と一緒に和んでいる。

1 Comments:

Anonymous Anonymous said...

ブログ、いつも拝見させて頂いています。
”Arcata ” 地図で場所を確認してしまいました。
今の日本にこんなところあるでしょうか。
地域活性=大型資本の注入、アウトレットモールにリニアモーターカーの誘致。
どこも躍起になっています。

読んでて思いましたが、Arcata だけで小国ですよね。マック放火なんて、まさに燃えたぎるprideですね(笑

コミュニティ志向ってありましたが、日本は元々そういう志向が強い人種だと思います。ただし、自分含めて、面倒だなーと、みんながちょっとづつ思った20世紀後半でしたが、最近少しだけ、そんな昔に回帰、そして郷愁の念を抱きだしている日本人がいるような気もします。

7:50 AM  

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