Sunday, December 07, 2008

一日メセラ

「ウェイター・ウェイトレス」は英語のwaitから由来し、ウェイターをすることをwait tablesという。食卓のそばで給仕する、というところから来ているのだが、スペイン語の「メセロ・メセラ」の語源はメサ=テーブルだ。だから「テーブラー」ってカンジ?

ロサンジェルスでは俳優になりたいけどなれない人、脚本家になりたいけどなれない人、映画監督になりたいけどなれない人たちが集まる職業だ。(だからか、ロスでの外食はなんとなくウザッたかったり?)なりたいけどなれないんだったら、なれるまでlet's wait、と考えているのだろうが、どんな仕事でも軽く見ちゃいけない。

金曜の夜、和食屋レストランのゴローさんが従業員と一緒にトラックでやってきた。
「明日予定入っている?」
「別に何もないよ。」
「助けてもらえないかなぁ。キッチンスタッフ二人も風邪で休んじゃっているし、ベトは明日から大学なんだ。もう、やっていけないからお店休もうかとも思ったんだけど・・・」
「え?そんな。いつでも手伝うのに。大丈夫、大丈夫。何時から?」と簡単に引き受けてしまう私。
「なに?なに?」ビッグドッグもバルコニーから覗く。
「明日、ゴローさんのところで働くのよ!」
「オー!オーケーだよ!」
「彼は昔レストランも経営していたから、大丈夫よ。二人でなんとかなるから。」

でも、どうだろう。スペイン語で注文なんて受けられないよ~!日本ではヘンな日本語をしゃべる外人さんウェイターなどに対して優しいけど、メキシコもそうなのだろうか?

お昼時の客は主に北米人で比較的空いているが、徐々にメキシコ人客が増え、彼らのランチタイム(3時~5時)になると店は超満員。その上、テイクアウトの注文も殺到。レストランは戦場と化し、頭は真っ白になってしまう。何も考えられない。ただ注文を厨房に渡し、食事を客に運ぶだけだ。

レストランもキッチンもスペイン語、英語、日本語のちゃんぽんが激しく飛び舞う。
「照りポーヨ!メサ・セブン!」
「ノー!これはメサオチョのよ」
「2ティ・ヘラード。1シン、1コン、シュガーね」
「焼き飯センシーヤ、パラ・イェバール!」
「カンビオ、お願いします!」

そういう状況で本領を発揮するのがビッグドッグ。接客業が苦手な私はいつの間にか皿洗いやらドリンク作りに移っている。その間ビッグドッグは4カ国語で注文を受けたり、客と冗談を言い合ったり、日本や日本の食事について説明しているのだ。「二人でなんとかなる」なんてゴローさんに言ったけど、実はビッグドッグ一人で三人分くらい働いている。(そして、驚いたことに、莫大のチップをメキシコ人客から貰っているのだ!幸い(?)チップはスタッフ全員で山分けされる仕組みになっている。)(もちろん、就労資格がない我々は日当もチップも拒否しました。)

金に困ったら和食屋でウェイトレス、というのが私のバックアッププランだったが、これも考え直さないと。
今回の経験から見ると、私はウェイトレスより皿洗いに向いているようだ。

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