Wednesday, May 09, 2007

ずっとこの土地の音を楽しみながら作業を続けてきたのだが、最近はiPodで音楽を聞きながら仕事をするようになっている。先週は午前中はパティ・スミスの新譜やパールジャムの旧譜、午後はスラックキーギターにはまっていた。ホースをエアギター代わりに踊りながらの給水は最高だ!

静かで孤独なところが魅力のこの牧場だが、ここのところはいろんな人とも会っていて、それはそれで面白い。西側は造園所でここの家族とは去年会ったのだが、東側の家族は最近やっと会った。ここの土地のオーナーは白髪、白ひげの人間嫌いなジイさんでチラリとしか見たことがないのだが、噂はいろいろ聞いていた。「土地の奥で大麻を栽培している」とか「ある子連れの女と同棲していたけど、その娘が大人になると、彼女の方を好きになってしまった」とか。で、先週、我が家にやってきたのがその母娘だ。新しい納屋を建てるため、電柱を動かさないといけないのだが、そのためには電力会社はうちの土地に入らないといけないので、その許可が必要だった。話しているうちに判明したのが、ジイさんと結婚しているのは娘の方で、今や母親はトレーラーハウスに追いやられていること。

で、土曜日のシンコ・デ・マヨ(5月5日のメキシコのお祭り)には向い側(と言っても、小川を渡り、原っぱを二つ越えたところ)のご近所さんのバーベキューへ招待された。そこの15歳の男の子が我が家に住んでいる女の子のクラスメイトなので引っ越してきてから何度がうちに来ているのだが、土曜日は彼の家族とご対面。さすが、メキシコ系!大家族!男の子3人、女の子3人、犬3匹、そして真ん中の娘のフィアンセ、という具合で、パーティに呼ばれたのはビッグドッグと私にクラスメイトの女の子と彼女のお母さんだけだが、わいわい、楽しいパーティだった。

次の日も、今度は山を越えたところにあるオーガニック農場のパーティへ。コロラド(その前は東京)に住んでいる友人も現在、馬を連れてここで冬を過ごしているので、かなり賑やかだ。

だけど、私の心の奥には雲がかかってしまった。ビッグドッグはどうしてもこの土地を売りたい、ここから離れたいのだ。じゃあ、私が彼の分を買えばいいのだが、それはビッグドッグと土地、どちらかの選択になってしまう。最初からこれは三角関係だったのかもしれない。私はここに来てから、この土地の虜になってしまっている。完全に恋しているのだ。幸せな三角関係って無理なのだろうか?

あまり物に執着しないようにしている私だが、やっぱり執着しちゃうし、完全に無欲になるにはあと一生か二生の修行が必要だ。「この世のものは全て借り物」とか「地球がホームじゃないか!何も一角だけにいることなんかないんだ!」と言い聞かせているのだが、ハートは頭のいうことを聞こうとしない。心は痛む。こんなに好きな恋人を自分から離れていかなければならないなんて、惨すぎる。

動物たちにもこの気持ちが分かるのか、青い目のオーストラリアンシェパード、マジックはなんだか最近調子悪そうだ。前のようなバカさ加減は見せてくれない。鶏たちも私のブルーとシルバーの足の爪を突っつかなくなってしまったし、馬たちもあまりふざけてくれない。寄ってくるのは猫たちだけだ。彼等はメランコリーが好きなのだろうか?先日、小川の方で騒ぎが聞こえ、様子を伺いにいったら砂色のラブラドール犬くらいの大きさの動物がいた。私の足音で振り向くと、大きな猫顔が!ボブキャットだったのだ。一瞬私の方を見て、また小川の脇の茂みに消えていったボブの後ろ姿もなんだか寂しそうだった。気のせいだろうけど。

2 Comments:

Anonymous Anonymous said...

なんだかちょっと悲しい日記です、、。
でも土地に恋をするって気持ち本当によくわかります!私もそうだから、、!Baddogさんとの三角関係が上手く行くことを心より願ってます。
それにしても、ご近所付き合いが色々あって羨ましい。私たちのオフグリッドはみんな孤独が好きなのか、全然おつきあいがないのです。唯一小さな町にでると、マーケットやカフェの人がとてもフレンドリーなのに癒されます。

11:25 AM  
Blogger bad-dog said...

こんなに土地に執着してしまうなんて、修行が足りない!と思ったりもするのですが、でも、恋って理屈じゃないですからね。
この先、どうなることやら!
stay tunedってところですね。
いつか、cocoさんのオフグリッドな楽園も訪れてみたいです。

9:42 AM  

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