Tuesday, June 17, 2008

地獄へ道連れ、その2

人生で一番恐い体験だったに違いない。

運転免許テストは来週の火曜日、予約済みだが運転にまるで自信がない私だ。それほど運転していないのが問題だと思うが、忙しいのと、カリフォルニアにいる期間が限られているのと、ガソリンが高すぎて無闇に運転できないなどなどが重なってしまった。その上、ビッグドッグは私の運転を貶すだけだ。

ドライバーはみんな自分が世界一のドライバーだと思っている。そうでもない、と思う女性ドライバーはいるかもしれないが、「僕は運転が苦手」という男性には会ったことがないし、たぶんこれからも会うことはないだろう。もちろん、ビッグドッグも例外ではない。一緒に走っていると、まわりのドライバーを批判しまくる。自分と同じことをしていても。ただ、私の場合、本当にまだ下手なのだ。今まで自転車というとても身軽な乗り物が足だった。トラックを運転するというのはなんだか巨大なお尻をずるずる引きずっているような感覚だ。ちっとも心地よくない。乗馬の方が100倍いい。同じモーター車両ならオートバイの方がベター。だけど、そんな贅沢をいっている場合じゃない。24日には最初のドライビングテストが控えているから何が何でも練習しないと!

昨日、アケータから中央カリフォルニアに戻ってきたのだが、サリナスでガソリンを入れてから牧場近くのモーローベイまで私がハンドルを(ぎっしりと!)握っていた。これはビッグドッグにとって今までに体験したことのない恐怖だっただろう。まず、トラックの荷台は道具などで山盛り。後ろの座席も箱やバッグでギッシリ。バックミラーには荷物しか映らない。助手席も後ろの荷物でぐっと前に出ているだけでなく、プランターや鞄などで窮屈。しかし、ビッグドッグは窮屈さなんて感じないくらい恐かったのだろう。

フリーウェイをびゅんびゅん走る中、隣で彼はブチ切れるのを抑えながらも「何してんだ!左により過ぎてる!スピード落とせ!追い越すの?どうするの?早く決めろ。クルーズコントロールなんてどうでもいい。いじくるな。右にそってるぞ。なんだスピード落とすんだ?フリーウェイだぞ!」

フリーウェイを降りて田舎のハイウェイへ入ると後ろの車にクラクションを鳴らされてしまう。

「速すぎる!」
「これが制限速度よ」
「そんなのどうでもいい。君には速すぎるんだ。」
「でも、後ろが渋滞してきた。」
「後ろのことなんて気にするな!!」
「プップ~~~!」とうとうクラクションが。
「バカ野郎!!!!」ビッグドッグはクラクションを鳴らす車に向かって怒鳴る。

まさにハイウェイ・トゥ・ヘル。私にとっても、まわりのドライバーにとっても、そして誰よりもビッグドッグにとって。だが、なんだかんだ言っても誰も死なずに牧場に戻ってこれたから、下手なドライバーでも世界ワーストではない。そう思う。そう願う。

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