Saturday, October 17, 2009

ボブキャットのトニー

嵐も去り、我々の谷は猛暑の中だ。

「お、見ろよ!」
ビッグドッグが小声で呼ぶので手にしていたペンキブラシを下し、キッチンの窓までいくとすぐ外にはゴージャスなボブキャットが!山猫の中ではかなり小型なボブキャットは巨大な家猫くらいのサイズだが、普通の猫にはない何とも言えない雰囲気がある。

家の中から彼女を追い、写真を取ろうとする我々。彼女は時々見上げ、窓の方を見るのだが、あまり気にならないようだ。こっちも勇気づけられ、外に出る。


「あ、ニワトリの方を眺めているよ。」

ビッグドッグは箒の長柄を片手に近づく。今まで足音を気にしなかったボブキャットだが、長柄のせいか、とうとう彼女はUターン。それも「チッ、せっかく美味しいディナーを、と思っていたのに」という感じに、ゆっくりと。元のルートを辿り、ディアフェンスの下をするするっと潜り、山の方へ向かった。

「何、その柄で私を守るつもりだったの?」私はビッグドッグの箒の長柄を見て笑った。
「お前こそ何考えていたんだよ!裸足で山猫を追うなんてアホだよ。」

確かに。トニー(と勝手に名付けている)は一見とてもとてもキュートだ。柴犬サイズの猫って感じで「おいで」コールを送ればすぐにやってきて撫でられそうな雰囲気だ。よく「ボブキャットに襲われた女性」などのニュースがあるが、わかる気がする。勿論、おいでコールなんて送っていないし、距離はおいてたと思うが、それでも撫でたい、遊びたい気持ちは否定できない。



余談:ボブキャットと普通の猫とのサイズの違いはさほどではないが、「ワイルド」には飼いならされた動物にはない「何か」がある。聖なる自然により近いからなのだろうか。同じように、野菜などもワイルドなものは栽培されたのより味も強ければ灰汁も強い。初夏のワイルドアーティチョークを茹でた後の水はビビッドなブルーグリーン。小さいが、とても香ばしい。先日、ビッグドッグは(知らずに)私のごぼうの葉っぱを全部刈り取ってしまったので、慌てて掘り上げきんぴらゴボウにしたが、これも強力。オナラの匂いは前代未聞だ。

これが問題のゴボウ。妙にエロチック。

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