Thursday, February 14, 2013

マヤ・ワールドの♥

 プレゼントを交換するカップル。オシャレなレストランで食事をするカップル。複雑な愛の儀式を行うカップル。バレンタインの祝い方はみなそれぞれだ。 

「バレンタインってでっち上げの祭りだよね」というビッグドッグ。
「違うよ。聖バレンタインという聖人を祝う祝日だよ。」
 「え?企業が作り上げたモノじゃなかったっけ?」
「それは母の日。」

 説明してもビッグドッグにとって、商業が絡む祝日はみんなインチキなのだ。

 私はお決まりの「儀式」は必要ないと思うけど、普遍的愛を祝う日ってなんだかステキだと思う。そして、実は我々にもバレンタインの「お決まり」があるのだ。ここ数年だけど、毎年、何故か、新しい場所でバレンタインを過ごしている。ボラカイ、ワイキキ、プエルト・エスコンディード、バラ・デ・ナビダッド、ジワタネホ、ロサンジェルス、カンペチェ、、、そして今年はグアテマラ、アンティグア市。マヤ・ワールドの中心で♥のホリデーだ。

オン・ザ・ロードが一番自分たちに合う我々は旅している時が一番ハッピー。自由で気ままでどんなことが起こっても楽しめちゃう。一番笑いが多いのも旅している時。だから、私たちのバレンタインにはピッタリだ。

 先週の火曜日、ロスを出発した。グラミー賞で昔の仲間もたくさんロスに来ていたが、週末はとても肌寒かった。 

その寒さは南へ移動したのだろうか?グアテマラに到着した時、空はどんより、空気も寒かった。 

この旅はビッグドッグにとって40数年ぶりの再来だった。70年代、中南米をバックパックしたビッグドッグからよく話を聞かされた。「旅のハイライトだったよ。いつか、一緒に行こうね。」

その割には、なんだかね。グアテマラ市はメキシコのグアダラハラをもっと大きく、汚く、混雑させた巨大都市に見えた。アンティグアも去年訪れたメキシコのサン・クリストバル・デ・ラス・カサスの小さいバージョンって感じ。サン・クリストバルより遥かにホステル、ポサダ、オスペダへ、B&B、ブティックホテル、高級ホテルなどはあったが。

「ゲッ。まるでカトマンズじゃないか!」と嘆くビッグドッグ。「グリンゴ・トレイルは完全に開拓済みだね。」 かなりガッカリした様子。 

一軒おきに旅行代理店やスペイン語学校があり、間はありとあらゆる国の料理を出すレストラン。何故か「グアテマラ料理」の店はない。グアテマラ料理ってあるのだろうか?それとも、スイス同様、料理の話になると隣国の方を見てしまうのだろうか? 

「前は車なんてなかった。アンティグアの街中は制限されていたのに、どうして入れてしまったんだろう。」ビッグドッグはまた文句をいう。
「道が狭いのにね。排気ガスが溜まって息苦しい。」
丁度、黒いガスを出すバンが通り過ぎた。イヤな味が口の中に広がった。

 曇り空、霧、スモッグ。有名な火山も見えない。

 なのに、なんだかグアテマラがどんどん好きになっていく私。

 何なんだろう。いろいろ考えたが、たぶん、それは愛だと思う。街中、愛の空気が充満している。(排気ガスと戦いながら!)ロマンティックな愛ではなく、もっと普遍的な愛。 

グアテマラ人はここ数十年の間に世にも酷い暴力、虐待、虐殺、人権の侵害、信じられないような極悪非道な行為を目撃してきた。なのに、なのに、彼らは今も優しく、穏やかな人々だ。笑顔が通貨ならグアテマラは世界一裕福な国だろう。

 他のカップルは今夜、シャンパンにバラ、ロウソクの光の中でのディナーを楽しんでいるかもしれないが、我々にはアンティグアの穴鞍のような小さなレストランで、赤いプラスチックのハートとキラキラの紙の下で、笑顔に囲まれながら味わうガヨ・ビールとププサがパーフェクト。グアテマラはマヤワールドの♥だけではないかも。世界の♥かも。
ホステルの庭にはこんなお花も
古い教会の跡地で結婚写真撮影
ラテンアメリカでは家族が第一
街中のセクシーな噴水
グアテマラ料理は屋台で

0 Comments:

Post a Comment

<< Home