Tuesday, May 28, 2013

イート!イート!イート!

今年は「年老いた親の夢を叶える」そんな年になりつつある。 

ドッグファーザーをワシントンDCへ連れていくと、今度は母の番だ。(私がバッドドッグなら彼女はビッグバッドママだ。She's a Bad Mama Jama... 懐かしい曲も頭の中をグルグル。) 

母は娘の私以上の変わり者。私もグループ行動が苦手だが、母はもっと苦手なのでツアー旅行なんてもってのほか。だが、一人旅も海外となると躊躇してしまう。だから長年、イタリア旅行は夢のまま。 

「ん、もう、いつまで待ってるのよ!今年こそ行こうよ!」
 私と母、二人だけで5月半ば、行くことになった。

しかし、そのためにまず日本まで行って、母をひろって、それからローマで、、、とあまり効率のよくないスケジュールだった。 

グッドウィルというチャリティ団体のセカンドハンドショップで古着のブレザーを買ったついでに本も何冊か購入。長旅に読書は最高だ。(で、アナログ人間はタブレットで本なんか読みたくない。重くても紙に限る。)1冊は"Eat, Pray, Love"。ジュリア・ロバーツ主演の映画にもなったが私は本も映画も避けていた。

 「どうせ下らない小説でしょ?」 

でも、今回は最初の章、Eatの部分がイタリアで食の快楽について書いたという序説にひかれ「インスピレーションになるかも、、、」と買ってしまった。 

下らない小説ではなかった。ならまだマシ。もっと酷い、独り言を延々と語るエッセーだった。読んでも読んでも「イタメシの快楽」の話題なんて登場しない。自分の人生のむなしさと恋の失敗についてぐたぐたと書いてあるだけだ。もう、やめてくれ。そんなこと他人に延々と語るなよ。自分一人で悩め!ムカついた。食欲をそそるどころか頭が痛くなり、だんだんと胃も痛くなる。 

本を捨て、母と2週間、食べまくった。ローマで食べまくり、フィレンツエで食べまくり、ボローニャでも食べまくった。(ベネチアではあまり食べなかったが、その話は後ほど。)Eat, Pray, Loveの女は数ヶ月イタリアに滞在していたらしいが、ここで美味しいものを食べ続けてもああも自己憐憫に浸れる女も凄いな、と思ってしまう。よくそんな暇があったな、と感心。 

私は食べるのに忙しすぎた。写真を撮る余裕もないくらい。ピザやパスタ、アーティチョークに生のポルチーニ、パルマハム、サラミ、可愛いボンゴレに優美な手長エビ、香ばしいアスパラガス、濃厚なトマト、リッチなチーズ、クリーミーなジェラートなどなど。そしてワインもがぶがぶ。食べて食べて飲んで食べた。そして、こんなに美味しい料理が存在することに手を合わせた。心は海の幸、山の幸に対する愛で溢れていた。これこそがEat, Pray, Loveじゃない?









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