Tuesday, July 25, 2006

情けない

語学って不思議。高校で数年だけフランスをやってから、もう30年もたっているのに、フランスとフランス語圏のスイスに滞在するだけで記憶の奥に眠っていた言葉たちが浮上してくる。

最初は30年も(ま、正確にいうと、大学の時にパリに数日間、ベルギーに数日間旅行したので、その時以来なんだけど)使っていない言語を話すのが恥ずかしいのと、まわりの人の英語の方が遥かにうまい、ということでなかなか口にできなかったが、少しずつ使っていると忘れていたはずの言葉たちが玉手箱からのように次々と出てくるのだ。なんなんだろう、これは。

対照的に、大学でちょっとだけやったスペイン語はいくらメキシコにいてもちっとも戻ってこなかった。最初っから、脳に焼き付いていない証拠だろうか?(そういえば、真面目に授業にも出席していなかったようだ。貧乏だった私は時々、授業を休み仕事をしていたからなぁ。)

ま、そういうことで、私はかなりいい気になって「あ〜ら、これだったら、数カ月ステイすればかなりしゃべれるようになるかも〜!」なんて思っていたのだが、パリから東京へ戻る前の日のことだ。

ショッピングが大嫌いな私はいつもお土産というものがプレッシャーになってしまう。早目に買っちゃえばそれほどプレッシャーはないのだが、ずっとそんなものを持って移動するのもイヤだし、せっかくの時間を買い物に使うのも・・・と思い、いつも最後の最後まで後回しにしてしまい、ギリギリになって怒りっぽくなりながら、お土産を探しに行く。

今回も同じだった。その上、もうユーロもない。昼間、相棒、Big Dogとベルナールが遊んでいる間、私はゴム草履をペタペタさせながら、パンテオン前の通りにある両替屋さんに走っていった。最後だから少しばかしのドルを両替えしてもらい、ベルナールのバーに戻って行く時、後ろから若い男の人が何か私に大声で何かを言う。
「え?」私は振り向いた。
すると、彼は私の足元をさし、また何か理解不明なことを言う。
「パルドン?」もう一度聞き直す。
また足元を指し、ゆっくりと同じことを彼は言うのだが、まったく理解できない。私は足がどうかしたのか?草履の裏にヘンなものが着いているのか?はたまたよくある犬の糞を踏んでしまったのか?謎だった。
「ごめんなさい。私、フランス語できないの」と謝る。(だったら、さっさとそう言えよ、と自分でも思ったが)
「英語は?」と彼が聞くから「英語なら大丈夫よ」と言ったが、彼は英語で今言ったことが説明できない。(だったら、英語はできるか、なんて聞くなよ!彼も彼だ。)一生懸命「Tomberってなんだったっけ?」と悩んでいる。お互いわからず、笑ってごまかし、別々の方向へ。

バーに帰る途中、一生懸命彼が言った言葉を頭の中で繰り返すうちに、はっと思い出した。

な〜んだ。アレは口説き文句だったんだ〜。そんなことを何度も聞き直す私ってダッセ〜〜。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home