ドック

ドックはドッグファーザーの幼なじみ。小学校から一緒に遊び、ドッグファーザーが検眼医になるための大学へ行き、ドックが獣医科がある大学へ転校するまで 大学も何年か共にしたらしい。そして、お互い家族を持つようになってからも家族共々旅行したり、パーティしたりという仲だ。

そんなドックもドッグファーザーの９０歳の誕生日パーティにわざわざ遠くカンザスからやってきた。７８歳のガールフレンドと！なんてチャーミングなカップルなんだろう。やっぱり色気ってライフフォースに必要なのよね。日本のご老人たちはどうも「高齢と色ごとは・・・」と消極的になってしまう。だから、枯れ葉のような人が多い。

ドックは痩せているのでドッグファーザーより老けて見えるし一日のうち数時間は酸素ボンベから酸素を吸わないといけないらしいが、それでもバイタリティは驚異的。

朝、ドッグファーザーとコーヒーを飲みながら新聞を読んでいると家のどこからかドンドンと音がする。

「今の何？」
「ああ、ドックたちが体操しているんだよ」

ビッグドッグと私が覗きにいくとドックは「お前は腕立て伏せ何回できるか？俺なんか４０回もできるんだぜ」と見せびらかす。彼女もストレッチで体を鍛えているので、足をまっすぐにしても手のひらが床につく。

「すっごい！」というと、嬉しそうに何度もやってみせる。

女はいつまでもオンナ、男はいつまでもオトコでありたい。人生はこうじゃなくちゃね。