Tuesday, June 24, 2008

地獄へ道連れ、その3

大安を狙った。
トラックを洗車し、中も掃除した。
トラックに優しく話しかけた。「明日、よろしくね」
洗車している間、ペニーをみつけた。(ラッキー!)
浅草寺のお守りを財布に入れた。

なんだか、祖母がやりそうなことを全てやって本日の運転試験に挑んだ。

「そんなことやる暇あるんだったら、もっと運転の練習すればいいのに」と西洋的なマインドのビッグドッグに言われそうなので、洗車以外の準備はすべてナイショだった。無駄なことかもしれない。自分でも「お前、アホじゃない?」と思ったりもしたし、特に「大安」なんて日本時間でもないのに・・・とも思ったが、気構え心構えが大事!

後は、一番運転しやすいボロボロのビーチサンダルを履いて、準備万端・・・ではないが、午後2時、サンルイス・オビスポのDepartment of Motor Vehicles(DMV)へ。

ヒスパニック系の少年の試験を終えたばかりの試験官”キャシー”は白髪まじりのロングヘアを後ろにまとめた感じのいいおばちゃま。私をみて「どうしたの?また運転試験をやらなくちゃいけないなんて」と訪ねた。よほど酷い運転か事故か飲酒運転のトラブルでもあったのだろうか?そんなふうに見えないが(と思っていたのではないだろうか?)
「日本から来たんです」
「ああ、なるほど。国際免許は取らなかったの?」
「免許を持ったことがないんです。運転もバイク以外はしたことがありません。電車や地下鉄が充実しているから、必要なかったんです」と説明する。

キャシーさんは助手席に座り、試験が始まる。サンルイス・オビスポの街は道が狭いわりには交通量が多い。かなりごちゃごちゃしている。もちろん、東京とは比べ物にはならないが、いつも走りなれている牧場付近ののんびりした道ではない。緊張しまくっている。

どうか、いきなり歩行者が道にでてこないように。どうか、前の車が急に停車しないように。
どうか、頭が真っ白にならないように。どうか、漫画のようにハンドルが取れないように。
ドキドキしていると、想像力が一人歩きしてしまうのが問題だ。

そんなことおかまいなしのキャシーさん。隣でぺちゃくちゃが続く。
「前の車、ウィンカーしているけど、左に曲がらないわよ。ふん。まともに運転もできないであんな高い車に乗って。」
「7月が待ち遠しいわ。」7月から運転中の電話通話はハンズフリーが義務づけられる。「運転しながら電話している人みるとムカつく。あれ、ほんとうに危ないんだから。」
「見た?あの人、両手でサンドウィッチ食べて、膝でハンドルきっていたでしょ!」

そんなもの見ちゃいないよ!運転に集中しているんだから!

「ね、アナタ、日本で育った人の英語じゃないけど、どうして?」

こっちは試験中なのに~~~!ん、もう~~~。

だが、大きなヘマもしないままDMVに戻れ、試験は合格だった。DMVの駐車場には「やった~!」と嬉しそうに飛び跳ねている10代の女の子がいたが、彼女は仮免を獲得したばかりらしい。(私の前の少年はどうだったのだろう?)私もトラックの荷台で勝利のダンスを踊りたい気分だった。こんなに浮かれているとき運転したら、それこそ事故ってしまいそう。私はビッグドッグにトラックの鍵を渡した。

「今日から私もカリフォルニア・ドライバー。恐ろしいね。」

2 Comments:

Anonymous Anonymous said...

やった~~!おめでと~~!!素晴らしい!!!実は私は2回も仮免取って、路上試験を受けないまま無効にしているの。最近じゃ、交通量が前の倍にはなっているし、ドライバーのマナーもかなり変ってきてる。何をそんなに急いでるの?ってな感じに皆ビュンビュン跳ばしてるのよ。あったら便利だから取ろうと思っているんだけどね。でも、この話で勇気づけられたわ。うん!次回は路上を受けてみるか。
Tsunami

8:09 PM  
Blogger bad-dog said...

ありがとう!Tsunamiさんも取らなきゃ!
でも、島には充実したバスシステムがあるからな。
こっちは何もないので、必要なのよね。

11:07 AM  

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