Sunday, September 13, 2009

罰と運の話

「下水が逆流して部屋の中まで浸水しちゃった~」牧場で暮らしている友人のJDからメールがきたのは先週の水曜日。10日間の出張で日本から戻ったばかりだった。

次の日、我々も医療関係者たちから大金を吸い取らっぱなしのロスから牧場へ移動。
一部始終を話したくてしょうがないJDが待ち構えていた。

「2日前、東京から戻ったんだけど、ロス経由だったので牧場に到着する前に運転し疲れて、ピズモビーチの友達んところで1泊したんだ。で、次の日、時差ぼけで5時くらいに目が覚めたからそのまま牧場まで来たら、キッチンの床が濡れているんだよ。ヘンだなと思いながら、拭き取り、仕事し始めたけど、少しするとなんだかヘンな匂いがするんだよ。ベッドルームから。部屋に入ると足がぐちゃっ。カーペットがぐっちゃぐちゃでカルカッタが爆破したような強烈な匂いが充満!茶色いドロドロが床中!でも、もっと酷いのがバスルーム!クソだらけなんだよ!たぶんシャワーの排水溝とトイレから下水が爆発したんだと思うけど、シャワーカーテンもトイレの蓋も捨てるしかなかったくらいだ!」JDも興奮で爆発していた。

「下水の問題だから洗い流すわけにもいかず、あちこちタオルをバラまいて、まずゴム手袋と消毒剤を買いに出かけたら、その間に2階のローズがシャワーしたらしく、戻ったら、またクソだらけになっているんだよ~!」
「最初に下水の問題を発見した時点でどうしてジョンとローズに言わなかったの?」
「だ、か、ら、時差ぼけだったんだよ。」
我々は頷いた。

もうこの頃は水道屋さんが問題を解決し、下水も元通り流れていて、更にベッドルームの絨毯も変えられていたので匂いもなかった。見た目もバスルーム以外はたいしたことなかく、私はホッ。ビッグドッグと二人でバスルームを掃除、消毒するだけだった。(「だけ」というのは想像していたよりマシだったということで、実際は悪夢にうなされそうな体験だったが。)

「でもさ、これは罰だと思う女性もいっぱいいるだろうね」私は笑った。
「そうだね。(一番最近の元妻)は絶対に罰が当たったというだろうね」ビッグドッグも一緒にゲラゲラ。
「その前の妻たちや出会いサイトの女たちもね。」

JDは普通の人が車を買い替えるように結婚しては離婚している。ビッグドッグも私もよく理解できないが、JDは自分でも「超軽薄な男」だと認めている。4番目のワイフから離婚すると出会いサイト経由でデートしまくり、女性が少しでも真剣になろうとすると彼はすぐ逃げる。完全に。その女性は2度と彼と会うどころか話すこともできない。

英語には「罰」にあたいするいい表現がない。"You had it coming."とか"You deserved it."などのフレーズを使うが、少々ニュアンスが違う。罰のコンセプトがない英語だからkarma(カルマ/羯磨)を代用していることが多い。

「JDの場合はそれで説明がつくけどさ、私たちはどうしてこうもウンが付いているんだろうね?」
「俺たち?お前だけなんじゃない?」
ま、どっちにしても私は昔からギャンブルは苦手でも人生に関してはとても運が強かったからなぁ。その運を保つためには時々ウンと付き合わないといけないのかも。