下心
毎年恒例、果樹の刈り込み三週目。日が短いのが救いだ。夏のような暖かさの日中も。
今年はオークハウスに住むマッケイン・パパとママも部分的に手伝ってくれ、大きな幹も切り落としている。パパは州立大学のグラウンドキーパー、ママは園芸学科専攻ということで我々より遥かに植物のことがわかるので心強い。
「ほら、またのところがこんなにカビちゃっているでしょ?」と桃の樹の枝を指差すマッケイン・ママ。またにカビはイヤだよね、と思いながらも極端に小さくなる桃の樹を見るとちょっと心が痛む。
私はいつものように地下足袋で樹の中から丁寧に剪定しているが、ビッグドッグはマッケイン夫婦に励まされ、大胆にチェーンソーでがんがんと。
「今日は一番大きな林檎をやっつけるぞ〜!」と意気込み、チェーンソーを唸らせながら大木に向かうビッグドッグ。マッケイン・ママが外科医なら、ビッグドッグは解体作業員。結果は同じなのかもしれないが、ビッグドッグの姿勢にはちょっと恐いものがある。
だから今日みたいに、一つのオーチャードを独り占めにできる日が幸せだ。後ろのオーチャードからチェーンソーのけたたましい騒音が響いてきても、ピースフルな一日が楽しめる。
「お?何くわえてんだ、フレディ?」
誰もいないからフレディ・マーキュリー似の雄鶏にも話しかけられる。フレディはミミズをくわえ、それをなんと白黒の鶏、トゥートーンに優しく差し出す。
「あら、フレディってジェントルマンなのね!」
だが、感心させられる間もなく、フレディはトゥートーンをマウンティングしようとする。驚いたトゥートーンは翼をばたつかせながらガーガーと逃げてしまった。
な~んだ、下心だらけのプレゼントだったのね。フレディはちっとも紳士ではなかったのだ。そしてトゥートーンは意外にも賢かったのだ。
今年はオークハウスに住むマッケイン・パパとママも部分的に手伝ってくれ、大きな幹も切り落としている。パパは州立大学のグラウンドキーパー、ママは園芸学科専攻ということで我々より遥かに植物のことがわかるので心強い。
「ほら、またのところがこんなにカビちゃっているでしょ?」と桃の樹の枝を指差すマッケイン・ママ。またにカビはイヤだよね、と思いながらも極端に小さくなる桃の樹を見るとちょっと心が痛む。
私はいつものように地下足袋で樹の中から丁寧に剪定しているが、ビッグドッグはマッケイン夫婦に励まされ、大胆にチェーンソーでがんがんと。
「今日は一番大きな林檎をやっつけるぞ〜!」と意気込み、チェーンソーを唸らせながら大木に向かうビッグドッグ。マッケイン・ママが外科医なら、ビッグドッグは解体作業員。結果は同じなのかもしれないが、ビッグドッグの姿勢にはちょっと恐いものがある。
だから今日みたいに、一つのオーチャードを独り占めにできる日が幸せだ。後ろのオーチャードからチェーンソーのけたたましい騒音が響いてきても、ピースフルな一日が楽しめる。
「お?何くわえてんだ、フレディ?」
誰もいないからフレディ・マーキュリー似の雄鶏にも話しかけられる。フレディはミミズをくわえ、それをなんと白黒の鶏、トゥートーンに優しく差し出す。
「あら、フレディってジェントルマンなのね!」
だが、感心させられる間もなく、フレディはトゥートーンをマウンティングしようとする。驚いたトゥートーンは翼をばたつかせながらガーガーと逃げてしまった。
な~んだ、下心だらけのプレゼントだったのね。フレディはちっとも紳士ではなかったのだ。そしてトゥートーンは意外にも賢かったのだ。