Saturday, March 24, 2007

失楽園?

ここのところ、アラモアナ公園がお気に入りなので、1週間前にハワイに到着したママと一緒によく散歩している。ワイキキの中心は春休みの客で大混雑だが、アラモアナ公園は比較的ローカルな雰囲気で平日はいつものようにジョギングする人たち、カヌークラブの人たち、あまり人のいないビーチでいちゃつくカップル、ピクニックする家族、カラフルなギターおじさんやホームレスの人々などでのんびりとしている。

オアフの経済は観光に依存しているので、観光業界で働ける人はいいが、そうではないと仕事も少ないし、不動産業界以外だと収入も限られている。だから、失業やホームレスも大きな問題になっているのだが、なんだか「観光客に見られなければいいや」というようなノリもあって、悲しい。

小さな島、という特殊な環境には元々の価値観が必要なのに、西洋の「発展!進歩!開発!」メンタリティが根付いてしまい、どんどん原住民の価値観と共に島も破壊されている。観光がなかったらこんなに凄まじく変化していないはず、と思うと、複雑な気持ちだ。私もここにいるだけでこの破壊に貢献してしまっているのよね。

Saturday, March 17, 2007

Peace!

イラク戦争が開始してからもう4年!
どう決着をつけるんだろう。
今日はセントパトリック・デーでアメリカではアイリッシュ系の人々がパレードしたり、緑色のビールを飲んだり、ここホノルルでは緑色のスパムむすび大食いコンテスト(ゲボゲボ!)があったりなんだけど、アラモアナ公園では聖パトリックとは何の関係もないピース・ラリーが行われるので、あとで行くつもりだ。

ビッグドッグは「アメリカはもうお金がない。借金で戦争を続けているから、今やお金を貸す日本や中国にも責任があるんだよ」といつも言っている。日本人の税金もこのバカげた戦争を継続させているのだ。

もっと日本人も積極的に戦争を反対しなくちゃ!

先日、ワイキキのアーミーミュージアムを覗いてみた。「軍隊万歳!」というミュージアムなのかな、と思いきや、戦争の悲惨さやむなしさも充分伝わる博物館だった。やっぱり軍隊を経験している人たちは一般の人以上にわかっているんだろうな。そう言えば、今回のイラク戦争も戦争を経験していないバカ者たちが始めた戦いだよね。

戦いって人間の性でもあると思う。人間って縄張りにこだわる動物だし、脅かされれば戦って守るし、人口などが増え、食料や資源が足りなくなればとなりの地域を占領しちゃう。そういうDNAが組み込まれているからしょうがないのかもしれないが、でも、昔、常識だったいろんなことが人類の発展と共に常識ではなくなり、野蛮なものとして捉えられるようになったという例も沢山ある。
幼児労働制度、奴隷制度、妻虐待、犯罪者への残酷な待遇・・・などなど。
同じように戦争というのも消える日も可能なはずだ。そうなれば、どんなに素晴らしい世の中だろう!

でも、そのためには声を出さないと。政治に参加して、意見を主張しないと。歴史を見て、一番恐ろしいのは沈黙だと思う。見て見ぬ振りをする。不正を無視する。ちゃんと物事を考えられる人たちが黙っているとどんどん世の中は闇に沈んでしまうのだ。


















平和のシンボル、白いハト。ワイキキの大きなバニヤン・ツリーは彼らにとって素敵なマンション。

Tuesday, March 13, 2007

クンクン

「何でも嗅ぐんだね」
ビッグドッグは何故かニオイにあまり興味がないようだ。私と正反対だね。

「女性だから」と説明するんだけど、どうなんだろう。私のセオリーでは通常、料理を担当する女性たちは日頃「これ、まだ大丈夫かしら?」と冷蔵庫のモノの匂いを嗅ぐ癖がある。間違って腐ったものを家族に食べさせないように。でも、私のニオイ・フェチはもっと深刻なのかもしれない。

東京に住んでいる頃、電車の中で変わった匂い、いい匂いの人に遭遇すると、どうしてもその人の後をつけてしまっていた。変態だよね、これって。

数年前、母とハワイにいた時、動物園近くの小さな庭園を散歩中にノニ・フルーツの木を見つけた。この庭園には何種類ものハイビスカスがあり、面白いネーミングに笑っていた時だった。東京の健康食品店でよくノニ・ジュースを見かけたが、飲んだことはなかった。ノニ・フルーツってどんな香りなんだろう?木の下を見ると、なんとそこに一つ、拳くらいの大きさの果実が落ちているではないか。拾って、すかさずガッと深呼吸して匂いを嗅ぐと、ゲボゲボ!咳き込んでしまうほどの悪臭だ。アンモニアっぽい悪臭。

咳と笑いで倒れながら、フルーツを母とビッグドッグに差し出した。
「スゴイよ!嗅いでみて!」
だが、母もBDも嗅ごうとはしない。もう、がっかり。

このように「ハズレ」もあるけど、それでも嗅ぐ癖は治らないのだ。
今も花に鼻を突っ込んだり、木に鼻を押し付けたり。幸い、ハワイにはいい香りの植物が沢山ある。ジンジャー(特に白いの)、プルメリア、小さくかわいいネオンレッドの花、大きな樹に咲いている大きな紫の花・・・昔はこの島々には白檀の森林があったころはどんな夢のような香りが漂っていたのだろう。まさに極楽だったに違いない。

ドッグファーザーは相変わらず建設現場に夢中だが、毎日、夕方には短い散歩に出る。彼のペースが遅いため、好奇心を満たす時間がたっぷりあって嬉しい。時制はこのくらいのペースで通るのがいいのかも、と思いながら、犬のように珍しいモノを見つけては匂いを嗅いでいる私だ。クンクン。

Thursday, March 08, 2007

エスケープ・フロム・LA

1週間前、やっとロスから脱出!
そしてドッグファーザーと一緒にハワイへリタ〜〜〜〜ン!

本当はメキシコにいるはずの私たちだが、ビッグドッグのお兄さんが亡くなって急遽メキシコ行きはキャンセル。戻るのだったらドッグファーザーと一緒に、と話したのだが、どうも彼は典型的アメリカ人の偏見からか、乗り気ではなかった。体調を崩すことを心配していたのだろう。でも、ハワイはアメリカだから、彼らにとって安心できる場所のようだ。

正直いうと、メキシコの方がリラックスできるのだけど。ワイキキは今、建設ラッシュで今回借りているコンドミニアムもヒルトンの新しいタワー建設の真向かい。建設と車の通る音しか聞こえない。(ワイキキ以外ならもっと静かなのだろうが、車嫌いな我々は車が不要な場所をどうしても選んでしまうのだ。)1945年に初めてハワイに来たドッグファーザーにとってワイキキは変わり過ぎている。(幸い、その後も何度か来ているから、変化に対するショックはないのだが。)その上、今回はこんなにうるさい所だから、さぞかしガッカリしているのだろう、と思いきや、彼は建設現場を毎日楽しそうに眺めているのだ。

「高いビルの建設の時、巨大なクレーンがビルの上にあるけど、どうやってのせるんだろうね」と始まり、夕方の光の中でベランダでビールを飲みながら建築の謎などについて延々と会話が続く。

向かいの建設にはクレーンが二つあり、どれも地面に設置されているのだが、比較的細いタワーの部分とその上の大きなクレーンの部分がどうバランスされているのかも謎だ。
「タワーのところにはサポートワイヤーもないのに、どうして重いコンクリートミキサーを持ち上げてもひっくり返らないんだろう?」
「オペレーターは毎朝あそこまでハシゴを上っていくのだろうか?」
「38階の高層ビルになるらしいけど、IビームやHビームを使わないで大丈夫なんだろうか?」
「今はもう技術があるから高層ビルの建設もそう大変ではないけど、エンパイア・ステート・ビルが建った頃はどうやって建設したんでしょうね。ピラミッドのように謎だわ。」
「建築ってなんだか神秘的な部分もあるよね。フリーメイソンも建築の秘密を守るところから始まったんだよね」

ドッグファーザーは朝も早く起きて、クレーンのオペレーターが本当にクレーンの骨組みにかかったハシゴで20階くらいの高さまで登って上っていくのかどうか確認しようとするのだが、かなり早朝から建設作業が始まるため、未だ確認できていない。

「で、ビルが今のクレーンの高さまで建つと、クレーンの高さも上げないといけないけど、どうやってやるんだろう?」

何事も見方によって楽しくなるんだな。ドッグファーザーのお陰で建設作業も我々にとって素敵なエンタテインメントだ。