Sunday, September 30, 2012

三角関係

ああ、なんて平和な牧場なんたどう、と思っていたら、、、

今年の夏の住人大交代劇も終わり、新しい住人もいいカンジに落ち着いた今日このごろ。クリステンとフィルも好調だし、クリステンの相棒ジャクソンも愛嬌振りまくテリア犬からコヨーテを追う「猛獣」と化している。(毛並みもドレッド化!)フィルが「養子」に貰ったラブラドール犬、エンゾもやんちゃな子犬からだんだん落ち着いた大人にチェンジ。特にエンゾはバッドボーイでお隣の牧場のイベントスペースで結婚式が行われている時、勝手に乱入し暴れたり、お隣の植木屋の従業員のランチを食べてしまったりでフィルを困らせていたから落ち着いてくれて皆ほっとしている。

奥のハガティ兄弟も射撃(ゲッ!)を楽しんだり、ツリーハウスを作ったり、充実した牧場ライフを過ごしている。彼らの相棒、優しいブルーノーズピットブル犬のマディも時々エンゾの庭で一緒に遊んだりして、牧場コミュニティをエンジョイ。二匹仲良くエンゾのベッドに横たわっている姿はなんとも微笑ましい。

そして、クリステンの2頭の馬、コディとビンゴも原っぱをキレイに保っていてくれるので嬉しい。

彼らが来てから平均年齢がぐっと下がった牧場。今は若いエネルギーいっぱいだ。

全てが順調だったところ、、、

1週間ほど前にマギーがやってきた。

「コディがここにくる前はいつもマギーと一緒だったの」とクリステンが説明してくれた。
「すごく仲がいいのよ」クリステンの友人でマギーの「人間」であるモリーもいう。
「ビンゴを同じ原っぱに入れたらコディはジェラシーで殺しちゃうかも!」
左がコディ、右がマギー。

ということでコディとマギーは入り口の方の原っぱに入れられ、ビンゴは奥の方の原っぱに。残されたビンゴは不満いっぱい。そして、その不満を皆に教えたかったのだろう。毎日、ひーひー鳴いていた。
原っぱの端っこにいるビンゴ。できるだけ前の原っぱの近くにいたいのだろう。

でも先週、電線ちかくの枝を刈り込む業者がきていて作業を進める間、コディとマギーは奥のビンゴがいる原っぱに入れられた。そしたら、なんの、ビンゴは素早くマギーを自分のモノにしてしまったかのように彼女のとなりにベッタリ。コディは少し離れたところでしょんぼり。
マギー(左)は実は悪女だったりして?

右端にいるのがコディ。

「あんた、軟弱ね。それでも男の子?」と私はコディをからかう。

刈り込み作業が終わるとコディとマギーはまた前の方へ移動させられるのだが、ビンゴはコディのようにすぐには諦めない。

「うっそ~!ビンゴ、ここで何しているの?」
昨日、町から戻るとビンゴは牧場の入り口付近のところにきている。コディとマギーがいる原っぱは電気フェンスに囲まれているので、その外で(だけど限りなく近くで)ビンゴは草を食べている。
「クリステンが何かやっているんじゃない?見えないだけだよ」というビッグドッグ。
エンゾも庭から出ていたので、誰かが近くにいるのだろう、と安心し、帰った。

しかし、家の庭から遠くを見るとビンゴは車道のところまで行っている。クリステンもフィルもどこにもいない。これはちょっとヤバいかも。トラックにあてられたら大変だ。驚いて逃げても大変だ。慌てて入り口の方へ、ポケットにいっぱい林檎を詰めて、走っていった。

最初はビンゴを林檎で釣りながら電気フェンスのゲートまで誘導し、原っぱの中に入れるつもりだったが、ビンゴはマギーのそばを離れない。作戦変更。まずはマギーを誘導しよう。原っぱの中に入り、林檎でマギーをゲートの方へ誘導すると思った通り、コディもビンゴもついてくる。そしてゲートまできて開けるとビンゴはためらいもなく入ってくれたが、コディはライバルを歓迎はしない。大声で文句をいい、ビンゴを追い回す。

ま、車にひかれるよりはマシ。

奥の原っぱに戻るとビンゴが電気フェンスをぶち破って逃げた形跡が。美人のためならちょっとのビリビリなんてなんでもないってこと?

ハガティ兄弟は2匹目の犬を飼いたがっていたので、今日、許可したがなんだか心配になってきた。エンゾとマディの仲はどうなるんだろう?三角関係はもう十分だ。

Wednesday, September 12, 2012

ラ・ドルチェ・ヴィータ

わっはっは。料理チャレンジは拍子抜けに終わってしまいました。

ハッチとジェーンと彼らのトゥーンエイジャー(ティーンなりかけ)の息子ライは理想的なゲストでした。すでに何をしたいかわかったいて、ほとんど一日中出かけていたし、我々に頼らず、自立していたので本当にイージー。

朝食は自分たちでフルーツサラダを作っていたけど、フルーツなどだけでなく、なんとボウルまで持参。(我が家には彼らが好むサイズのボウルはないので、これは正解でした。)

そして、一緒にいる時は楽しく、知的で好奇心旺盛。しかも、中学生くらいの男の子って大人とあまり会話なんてできない子が多いのに、ライは立派に大人たちの会話にも参加。

日曜日からはまた静かな牧場。静か、というより人口が激減、と言った方がいいのかも。ハーベストシーズンの牧場はいつも忙しいのに、どういう訳か、ビッグドッグは急に内装装飾にも夢中になり、東京で荷造りしてから一度も開けていない箱から美術品や絵画、世界からの骨董品などを出しては飾っている。
「この額はマットが必要」
「ここにラベルをおきたい」
などなど。私の仕事も増えてしまう。

オフィスの片隅は既に労働搾取工場、スウェットショップと化している。今年やっと修理に出した古いミシンのまわりは生地の山々が。もう片隅は額縁やマット用紙。カウンターの上はどんどん大きくなる本やメモやマニュアルやリストの山。(その中には「今年中にやらなければならない」アイテムのリストが隠れているが、見ないようにしているのだ。)

「やらなければならない」ことは増える一方。片付けるより早く増える。でも、映像制作時代に学んだのは「プライオリティを決めて、順々にやっていく。どんなに大掛かりなことでも目の前の作業に集中してどんどん片付けていく」ことだ。幸い、制作と違い、もし全部できなくてもクライアントの怒りはないし、ギャラの割引もない。

いつもよりちょっと濃いブルーの空、いつもよりちょっとふんわりした太陽の日差しを楽しみながらの忙しい日々だ。ああ、これもラ・ドルチェ・ヴィータ!

Sunday, September 02, 2012

料理チャレンジ

「チエコさんは食べられないモノとかありますか?」
7月上旬、よくこのような質問がメールで届いた。カリフォルニアの反原発団体は福島から活動家、椎名千恵子さんを迎える準備でバタバタ。草の根イベントらしく、予算なしで始まった。旅費はマイレージの寄付、運転や宿泊はボランティアが提供。でも、そういうところが草の根のいいところなんだよね。皆、実に豊かな心の持ち主ですぐに形になるのだ。

私も部屋を提供し、日本語ができるということで他の地域でホスト役を勤める方から彼女の食べ物の好みを聞いてくれというリクエストが。

日本も私が住んでいた10年前から変わったかもしれないが、アメリカに来て驚いたのが皆、自分の食の好みをはっきり主張すること。ドッグファーザーの家の押し入れには何種類もの炭酸飲料があるのだが、彼はたまにダイエットコークを飲むくらいなので訊いてみると、
「ああ、デニースはダイエットペプシしか飲まないんだよ。で、ヘイリーは普通のコークだろ、、、」と教えてくれた。
ははぁ。ドッグファーザーは子供、孫、ひ孫のためにそれぞれが好む飲み物を用意しているのだ。
「ヘェ、日本ではみんな、出されたものを飲むけどね。ありがたく。」

ビッグドッグの家族だけじゃないと思うのだが、彼の姪のために料理するたびに新しく彼女が「ダメ」なモノを知る。エビとネギは前から知っていたが、肉の脂身(霜降り肉の脂身も!)トマト、ブラックベリー、そしてブラックベリーがダメだとわかってイチゴのデザートを出したら、イチゴもダメだとわかる。ふ~。

千恵子さんは幸い、普通の日本人で好みはあってもホストが出すものはすべてありがたく召し上がる方だ。だから、我々のディナーイベントで地元の通訳(日本人)が特別にビーガン用の食事を注文するのを見てビックリしていた。
「へえ、全部ビーガン用に変えてくれるの?面白いわね!」
「アメリカのレストランはみなそうよ。」

(イベント終了後、彼女に朝食の好みを伺った時、はっきり「和食がいいわ」と言ってくれたのはありがたい。次の講演が行われるサンタクルーズへ出発する前に畑からの新鮮な野菜いっぱいの朝食を共にできたのは嬉しかった。納豆がなくてごめんなさい!でも、あれから自家製のを作るようになった!)

今年の夏は牧場を留守にしていた期間が長かったのでビジターの季節は少々遅れて始まっているのだが、次のビジターからちょっとしたチャレンジが。グルテン・アレルギーだ。いかにも簡単に言われた時はちょっと驚いたが、ま、私がすべて最初から作るタイプだと知らないからだろう。アメリカには便利なグルテン・フリーの食品はパスタからケーキミックス、インスタント食品などなど、たくさんあるからね。

そういう工場で作られたものは使いたくないので、なんだか今さら使うのも、、、と思い、彼らの4日間のステイのためにいろいろ調べているところだ。

「小麦粉はだめだけど、米は大丈夫。大麦はどうなのだろう?」
「デザートとかは難しいよね。インスタントのグルテン・フリー系を使わないと。でも、チョコレートムースとかは大丈夫だし、、、あとは、、、」
「朝食はどうするんだろう?パンがダメならシリアル?それとも和食の朝食を食べてもらう?」(「勘弁してくれよ。朝から臭いものは」と絶対に納豆なんて食べないビッグドッグはイヤな顔をする。」
「米粉でピザの生地とか作れるかしら?」

挑戦好きな私には楽しいテストだ。
結果は数日後に!