Sunday, February 25, 2007

偉そうに

「英語ができるからといって、いい気になってんじゃねえよ」
十代の時、日本に帰国してよく聞いた言葉だ。
電車の中で、英語で友人と話していたりすると、よくヘンなオヤジに言われたもんだ。時々、そのオヤジは酔っ払いで、わけのわかんないこと(例えば、「おらぁなぁ、人も殺してんだ」のような脅迫)も含まれていて、どう反応していいのか、謎、という時もあった。悲鳴をあげて逃げるべきなのか。それとも、笑っていいのか。

でも、それからン十年。一生懸命(でもないか?基本的にはレイジーなので)日本語を勉強。社会に出て、実際に使っているうちに段々と自分の日本語力にも自信が湧いてくるように。とは言っても、心の奥には今もコンプレックスのカタマリが密かに宿っているのだが。

じゃなければ、日本語がめちゃくちゃなインターナショナルスクール卒の日本人たちや帰国子女たちにこんなに厳しくないはず。今や、私もウザッたいオヤジになっているのだ!

たぶん、世代のギャップというのもあるんだろうなぁ。私が日本に家族と戻ったころは帰国子女という言葉も新しく、私はその言葉に反感を持った。
「どうしてオンナ・コドモなの?何、この言葉。差別?」と疑心感いっぱいだった。
でも、今の20代くらいの人たちには「帰国子女」ってまた違うニュアンスがあるみたいだ。

ま、英語ができるって悪いことではない。良くも悪くも、今は世界共通言語となっているからね。でも、母国語ができないのに英語ができてもしょうがないんじゃない?私の場合、今も日本語は英語のレベルには達していない。これは自分にとって、とても、とても辛いことだ。日本語でも英語と同じくらい楽に政治や医学、環境問題などについて書いたり、語ったりしたいのだが、そこまではいかない自分が非常に腹立たしい。そして、日本を離れてしまうと、どんどん日本語力が低下してしまうのも最近の恐怖だ。

なのに!まともに日本語もできない日本人が英語ができるということを過大評価しているのだ!でも、そういう人たちの英語のレベルってどうなの?作家なみ?モールラット(ショッピングセンター族)なみ?(お姐さん、どんどん厳しくな〜る!)(厳しい姐さんはロスのテレビジャーナリストたちにも腹を立てているのよ。無教養な上、ネイティブなのに英語の文法は酷いし、ボキャブラリーもないので、発音ミスだらけ!)

と、母親に手紙を書こうとして漢字が思い出せなく、いら立っていたら、どんどん脱線してしまった私だ。

Saturday, February 24, 2007

あった!

前のエントリーを読んだ友人が教えてくれた。
「変な漢字の入れ墨サイトですが、既に、あるよん!」と。

早速、チェック

全部ヘンなものではないけど、ここまでチェックすると・・・

「寿」の鏡文字!
馬鹿外人!

生涯そういうキャラでいいの?

Tuesday, February 20, 2007

おや?

先週、やっとロスに戻ってきた。
どうして「戻る」という言葉をいつも使うんだろう。
東京にはもう家もないけど、行く場合は「戻る」。ロスのコンドミニアムには家具はダイニングテーブルと居間の孤独な椅子、日本から運んできたタンスくらいしかない。(ベッドもないのよ〜)だけど、ロスに「行く」のではなく、いつも「戻る」と言ってしまうのは何故?牧場だって、まだ我が家と言えるほどの家具もなにもないし、私物はほとんど箱の中だけど、牧場に「行く」時も「戻る」のだ。何故か。

私の言葉が無意識に家庭願望を表しているのだろうか。

しかし、「家」がないわりには家のメンテナンスをたくさんしているなぁ。参ってしまうぜ。ロスに「戻る」とバスルームの水道が少し漏れているのを発見。水道のハード(蛇口など)をこの際、取り替えてしまおう、と倉庫のように多きいHome Depotへ。普段なら巨大ウェアハウス・タイプのお店は店員が酷いので避けてしまうのだが、近くの小さな金物屋には求めていたものがなかったのだ。でも、今回はすんなり探していたものを見つけ、レジでも並ぶことなく、用がすんだ。レジのお姉さんも手際よくやってくれるのだ。
「Wow! どうして今日はこんなに速いんだろう」とつぶやくと、彼女は
「28番レジだからよ!」と笑ってくれた。なかなか感じ良く、キュートな女性だが、腕は左右とも入れ墨だらけ。で、右肩のところに漢字で「親」と書いてあるのだ。

「親?おや?オヤ?オヤヤヤヤ?なんだったの、彼女の入れ墨?」お店を出た瞬間、ビッグドッグと笑った。
「Parentのことじゃないよね?」
「まさか」

それにしても、勇気ある人たちだよね。読めない言語を掘ってしまうなんて!今までにも(特にミュージシャンやクラブ系の人たちの間で)間違った日本語、鏡文字の漢字、意味不明の偽漢字などをタトゥしている人を見かけているけど、みんな、疑わないんだろうか?間違っているとわかったら、どうするんだろう。

先日、テレビのニュースでオリンピックに向けて英語熱が急上昇している中国の「チングリッシュ」が取り上げられていた(珍グリッシュ?ごめん。オヤジギャグで。)一生懸命なんだけど、ちょっとしたミスでとんでもない意味になってしまうエセ英語。日本の「ジャップリッシュ」もよく取り上げられているが、日本人はわからない英語を入れ墨にはしないよね。それほどおバカじゃないよね??ね?

ジャップリッシュやチングリッシュを集めたサイトは既にあるけど、ヘンな漢字(またはヘンな日本語)の入れ墨コレクションのサイト、誰か作ってくれないかなぁ。

Monday, February 05, 2007

闇に吠える街

ドッグブラザーの手術も成功し、10日後には退院できると聞き、我々はサンタモニカへ移動したのだが、数日後、突然、心臓発作で他界してしまった。あまりにも突然で予期せぬ出来事だ。ビッグドッグも彼の家族も皆ショックで乱れている。

それから既に10日以上だが、我々はまだランキャスターにいる。ビッグドッグは90歳のお父さんが心配でしょうがない。彼のために少しの間、ここにいる、と言うのだが、正直、これはビッグドッグのためでもある。悲しみの中で癒してくれるのはやはり家族の絆だ。

でも、ランキャスターにいていいのだろうか?
昨日、ドッグファーザーのガレージを掃除していたらドアにぽっこり開いている弾丸の穴を発見。弾丸は2重の鉄板を通り抜けガレージの中に消えてしまったらしい。幸い、車には当たっていないのだが、弾丸の位置を見ると、不可能なようにも見えるのだ。

BDは車をどかし、弾丸を探すといいガレージに向かう時、私は「手袋をした方がいいよ。弾丸を見つけても触らないでね。指紋とかがあるかもしれないから」と言った。アメリカで人気のテレビドラマ、事件現場調査官たちを描く「CSI」を見過ぎているのだろうか?
でも、言うまでもなかった。BDも同じドラマを見過ぎているから。
銃弾の方向を確認するために二つの穴に糸を通し、ガレージの壁の方へ引っ張っていった。角度が1度でも違っていたら、車に直撃していたはずだ。

犯罪ドラマのテクニックが我々の生活の中で役に立つなんて思ってもいなかったが、アメリカってそんな国なのだ。数年前、BDの妹の息子がバーガーショップでアルバイトをしていた時、強盗にあった。拳銃を突き付けられ、レジを開けさせられた。(マネージャーに「それはルール違反だ。どういう時でもレジを開けてはいけないのに。盗まれたお金は給料から引く」と言われたそうだ!)もちろん、事件後、すぐにこのアルバイトを辞めたのだが、私の子供がこんな事件に巻き込まれたら、その日にでもこの国を脱出し、二度と戻らないと思う。犯罪と暴力に麻痺しているアメリカ人って私には理解できない。