Friday, April 30, 2010

エスカルゴ・ランド

雨量の多かった今年の冬。山々をネオングリーンに塗り替えてくれるのは嬉しいが、カタツムリとナメクジが大量発生してしまった。畑のポテトの苗は全滅。今年は例年より大型で甘いイチゴもナメクジの美味しい家となってしまう。とうとう、ナメクジ用の毒を使わざるを得なくなってしまった。

だが、カタツムリは別格。アメリカ大陸のカタツムリの祖先はヨーロッパから食用として持ち込まれてきたものだ。ビッグドッグは見つけたカタツムリを岩などにぶつけ、殺してしまうが、私は見つけるたびにキッチンのプラスチック容器に入れている。そう。エスカルゴにするためだ。

まず、湿らせたコーンミールの中で飼い、毒出しをする。キレイになったカタツムリはさっとお湯で湯がいてから殻から取り出し、肝を取り除き準備万端・・・と本で読んだが、まだカタツムリはコーンミールの中で生きている。

「どんなに気持ち悪いかわからないのか?」ビッグドッグはしかめっ面で見るのでカタツムリ農園はいつもまな板で隠している。そりゃ、気持ち悪いのは当然だろ。だけど、気持ち悪いけど美味しいものだっていっぱいあるじゃん。ナマコとか、シャコとか。エビだって、よく見れば足だらけで気持ち悪いし、みんな平気で食べる牛だって、考えてみればもっと気持ち悪い。

しかし、食チャレンジャーもほどほどにしないと。そこら中の植物を味見している私だが、牧場の雑草には野生のウイキョウの他、ヘムロック(毒人参)もあるのだが、これがヘムロックであることはつい最近知った。

「ソクラテスが毒殺されたアレよ」と教えてくれたのは住人のローズ。
「うそ〜!原っぱにいっぱいある植物、ヘムロックなの?私、食べてみたことある!」
でも死ななかった。哲学者じゃないってことかしら?

Thursday, April 01, 2010

スーパースローフード

信じられない!今年はなんと苗を買ったのだ!
まずはイチゴの苗を、そして数週間後に野菜類の苗を。今まではすべて種から育て、初夏頃から収穫していた牧場の住人たちの畑を羨ましく眺めるだけだった。

やった~!今年は出足がいいぞ~!と喜んでいた矢先、住人ジョンとローズが自分たちの夏の畑の苗入れを始めた。げっ。彼らの苗は巨大だ。私のキュートな苗の10倍もデカイ。私の苗があのサイズになるには数週間かかる。種から発芽したものは何ヶ月もかかるだろう。これぞ究極のスローフードだ。育つのを待っていたら飢え死にしちゃう。(そして、なんとレモン・キューカンバーの苗4つのうち3つが死にかけている。なんじゃ、こりゃ?大型DIY店で植物は買っちゃダメだってこと?)だから2年前から生きているコラードやチャード(フダンソウ)を取り除けない。

「早く引っこ抜いてこの畑から撤去しろよ」とビッグドッグは何度もいう。私の畑は雑草だらけのぐっちゃぐちゃジャングルだ。(その中でストイックに成長し、栄養を提供してくれているコラードとチャードを引っこ抜くなんて!無理よ!)潔癖性のビッグドッグとしては耐えられない存在なのだ。

「だから、そのうちやるよ」イチゴ畑から怒鳴り返す私。横目から彼が雑草を引き抜こうとしているのが見える。「畑はそのままにしておいてよ!」

彼には言えないが、麦のような雑草から粉を挽くつもりだ。ドングリと一緒に。タンポポと調理するかも。
ちゃんと野菜や果物が実るまで。